【完】キミと生きた証
イズミちゃんが下で瞬を見つめてる。


まわりの子たちみたいに叫びもせず、ただ見惚れているように。



「ナイシュー!」


一馬くんも仁奈ちゃんも、瞬の勇姿を楽しそうに眺めてる。



ちょうど瞬が得点して、流れがきたかなってときだった。



瞬の体がおもいっきりはじかれた。


バタンってすごい音とともに、瞬が倒れた。



「瞬!」



ざわめくギャラリー。



瞬はすぐに起き上がったけど、足を引きずってる。



「ファール。フリースローかな。」



一馬くんはのんきな解説を続けてる。



「どうゆうこと?」


一馬くんは仁奈ちゃんに解説を続けた。



あたしはゆっくり、でも急いで階段を下り始めた。



瞬、大丈夫かな?


足ひねったのかな。




ピピ―・・・!


ホイッスルがなった。



階段を下りる中盤、もう一度ホイッスルが鳴って、「きゃー!!」っていう歓声が響く。




「・・はぁ・・・はぁ・・・っ。」



・・・降りてるだけなのに。



急ぎたいのに。


体は全然言うことを聞いてくれない。





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