【完】キミと生きた証
「生きれない人の…気持ちなんか、ぜったい…わかんないよ…っ」



涙と感情が一気にこぼれた。


息を切らせても、言葉がでていく。




「死にたくないよ…でも、誰かの命・・・奪って…死ぬなんて…もっと嫌…っ」



「でも・・ドナー登録って本人の意志もあるだろ?それにその人は…、ちとせの中で生きれるじゃねえか」



「…だったら、大切な命・・・奪って・・・いいの?」





きっと、その人は誰かの家族で、


きっと、その人を大切に想う人がいる。


あたしと同じくらい忘れたくない大切な過去があって


あたしと同じくらい生きたかった未来があった。



誰より生きたかった命を・・・助かるかわからないあたしなんかに与えるなんて…。






「移植を・・・選んだら。あたしが…生きても、死んでも・・・その人は・・・死ぬんだよ・・・?」



「・・・それは。」




「・・・・怖いの・・。生きるのも、死ぬのも。怖い・・・。」





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