【完】キミと生きた証
放課後のチャイムが鳴った。


もうこの汚ねえ校舎ともおさらばってことか。



特進科の教室に乗り込んできてた一馬たちと話してたら、教室にわんさか女子が流れ込んできた。




「武石君!ボタンちょうだい!」


「医学部って医者になるってことですよね!?」


「武石先輩のバスケまた見たいですぅー!」




香水の匂い、耳にキンキン響く高い声。
俺が一歩さがると、一馬たちが女子を取り囲む。



「君、名前なんていうの?」


「1年?2年?」



相変わらずの女好き。


ぎゃーぎゃーやかましい奴ら・・・。



そんなあいつらを見て、思わずふっと笑うと、




「「「キャー!!笑った!」」」って高ぇ声・・・。




・・・眉をしかめて、真顔に戻った俺は、さらに後退する。




「瞬くん!アドレス教えて!」


「付き合ってください!!」


「はぁ!?いい加減、イズミと付き合って!」


「第二とはいわないから・・ボタンちょうだい!」


「えーアタシ第二がいい!!」




俺はまた一歩さがって、一馬の首根っこをつかんでひきよせた。



「・・・医学部のパワーってすげえな。世の中金か?」


「医学部関係ねえだろ。もともと瞬のファンじゃん、あいつら全員・・・って、多過ぎんだろ。」



・・・ってか。


「北工にこんなに女子いたか?」


「瞬さぁ制服くらいちゃんと見ろよ。他校生も来てるだろうが。」


「あー。なんか雰囲気ちげえと思ったわ。・・・一馬よく気づいたなぁ。」



そういう面では心底尊敬する。



一馬はそんな俺に眉をしかめて叫んだ。



「・・・なんでこんな女の子の違いもわかんねえやつがモテんだよ!」



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