【完】キミと生きた証
「武石センセー!!」


「あ・・・、どうしました?」


「それがぁー、」



診療室を出ようとした瞬間に、瞬は患者さんにつかまっちゃった。


瞬は結構・・いや、すっごく人気がある。



その声にこたえようと、誰かの希望の光になろうと、日々奮闘している瞬を知ってるから。


あたしはそれがすごく嬉しくて、すごく頼もしいと思う。






・・・あたしも頑張らなきゃ!


足を進めるのは小児病棟。



「あー、ちー姉ちゃんだぁ!」

「今日も絵本もってきてくれたー!?」



小さな妹や弟たちが駆け寄ってきてくれる。


・・・毎日を一生懸命生きてるみんなへ。



「今日はね、じゃーん!」


「なにこれー?!」



飛び出す絵本の1ページをめくると、たくさんの子供たちが目を輝かせる。




あたしにはこんなことしかできないけど。



あたしも、誰かの”光”になれたらな・・って。



「むかしむかし、あるところに。」



みんなの可愛い笑顔に囲まれて。


あたしは今日も、「今」があることの幸せをかみしめる。







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