【完】キミと生きた証


「これ使って。冷えるから。」



そう言って持っていた茶色い紙袋から何かをがさごそととりだした。



差し出されたのは、ふわふわの赤いマフラー。



「・・・え。えぇ!?」


「風邪ひくだろ。巻かねえの?」


「え、でも、そんな・・・」


「・・・ちっ」




舌打ち!!


久しぶりに聞いた。


ずっと優しいから、不機嫌モードを忘れてた!



もしかして・・・怒ってる・・・?




びくびく顔を伺ってたら、瞬はあたしの首にマフラーをかけて、1重、2重。



そして後ろにまわって、縛ってくれた。



「髪・・・どうすりゃいいのかわかんねぇ。」




そう呟いて隣を歩きはじめた瞬の横顔は真っ赤で。




「ありがとう・・。」



あたしは真っ赤なマフラーに顔をうずめて、真っ赤になったほっぺを隠した。





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