【完】キミと生きた証
12月24日のあの日。


真っ赤なマフラーに埋もれるちぃと、単語帳みたいにカラフルなツリーの電飾を見つめた。


一番見えやすい位置に連れて行った。



ちぃの笑顔が見たくて。


ありがとうってはにかむ顔が可愛くて。


ぎゅっと握り返してきたちぃのちっせー手のひら。



やっぱ、好きだって思った。



理由なんかわかんねえ。大好きだって思った。



でも好きなやついんのかな。



クリスマスにのこのこと男とツリーみるんだから、彼氏はいないだろうけど。


23歳のあの駅員のこととか・・。



「好きなやつはいるのか」「23歳のあいつに憧れてるのか」



ちぃは答えなかった。



それが答えみたいなもんだろ。




ちぃはきっと、あの駅員のことが好きなんだ。






< 98 / 478 >

この作品をシェア

pagetop