私の王子様を見つけました
社長が他のモデルたちに、笑顔で話してるのを見るとイライラした。


私には絶対見せない笑顔だから。



「拓斗も疲れるだろくな。あんな笑顔が必要なのか。」


さぁ、どうなんでしょう。



社長の作り笑顔も見慣れた。



ホテルのプールで水着撮影。



やはり沖縄は暖かい。



パーカーを脱いで、プールサイドで他のモデルさんと交流。



私の水着は白、他のモデルたちはカラフルな花柄なのに。


私だけ何で白なのか。



直人さんは白の水着を着こなすのは難しいと言ったが。



なおさら、若いモデルさんの方が良いのではないだろうか。



「白は真凛でないと駄目だろ。」



直人さんは褒め言葉だと言うけど、素直に喜べない。



あれ、なんか視線を感じる。



プールは貸し切りだから、ルミエルのスタッフ以外はいないはずだ。



振り向くと、確かにスタッフしかいない。


だけど、感じた視線が気になる。



きょろ、きょろ、してると社長に頭を叩かれた。


「落ち着いて、撮影に集中しろよ。」



痛いなぁ、叩かなくてもいいでしょ。



直人さんに気になる視線の話をすると、直人さんがプールサイドから離れて行く。


ホテルに向かったのか。



今は撮影に集中しよう。









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