ひとりじめしたい。~イジワルで甘いお隣さん~
これは新入生の特徴だな。
なぜか高校に入ってきたときって、少し背伸びしちゃうんだよな―……
高校デビューとかいるんだろうな。
そんなことをしみじみと考えていると、目に飛び込んできた女の子。
明らかにドキドキしてるのが、少し離れている俺からでもわかる。
あっ、今ちょっとつまずいた。
「ふっ……」
「蜜、何笑ってんだよ」
隣でぼそっと俺に呟いた康平。
「別になんでもない」
「ふぅーん。蜜があんな風に笑うなんて珍しい」
珍しい……か。
新入生が準備されていた椅子に着席し、入学式が始まった。