黒愛−2nd love−
 


久美の顔が赤くなる。

恥ずかしそうに視線をそらし、ボソリと言った。



「春成様はカッコイイし、将来性も抜群だから憧れる女子も多いけど……

恋するのはやめた方がいいよ」



「どうして?」



「だって、身分が……」




身分違いなんて、時代錯誤もいいところ。


同じ学校、同じ年齢、

カッコイイ彼と、可愛い私。

付き合わない方がおかしいでしょう。



久美の指先の血は止まっていた。


手を離し、ニッコリ笑って教えてあげた。



「どんな障害があっても関係ないの。

私と叶多くんは必ず結ばれる――それが運命なんだよ?」



久美の首がゆっくり横に傾いた。


私の運命論を理解できずにいるようだ。



今は信じられなくても、
じきに信じるようになるよ。


彼が私のモノだということを。





――――……




< 21 / 311 >

この作品をシェア

pagetop