運命の人

浮気?

賢太と付き合ってからの生活はほんとうにあっという間。
高校の体育祭も終わって早くも夏休み。
地元にあるカフェで菜々子とお茶することにして、わたしは店内で菜々子を待つ。
ここの紅茶とケーキは本当に美味しい。
カフェのドアから鈴の音がする。
菜々子だ。
「こっちだよ〜」
わたしがそう手を振ると菜々子はパッと笑顔になる。
今日で菜々子と2人で遊ぶのは3回目。
「ごめんね待たせちゃって」
そう言う菜々子にわたしは大丈夫と言いながらメニューを渡す。
わたしはアイスティーとショートケーキ、菜々子は同じアイスティーとチョコケーキ。
運ばれてきたアイスティーに入れたミルクをかき回しながら菜々子はため息混じりに言った。
「…祐也くんがおかしいの」
その言葉にわたしが真っ先に思ったのは浮気。
「どんな??」
「なんかね、こそこそしているというか…なにか隠してるの。どこかに電話したり一人でお出かけしたり…」
確信犯じゃん。
「それって…」
「言わないで!!」
突然わたしの口を向かい席から抑える。
「…信じたいの。少しの可能性」
「なにだと思うの?」
菜々子は首を振る。
「わかんないけど、浮気…ではないと思うの。そう思いたい」
これは大変なことになってきた。
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