初めての恋はあなたと。番外編
千夏の言うことは間違っていない。
言ってしまえば正解だ。

素直に認めたい…でも。
でも認めたら私の中に二つの感情が存在することになってしまう。
そんな、自分でもよく分からない感情を押しつけても原さんは困るだけだろう。

せめて元彼への感情が消えるまでは素直に認めるわけにはいかない。

…と、こう考えてしまうから悪循環に陥ってしまうのだろうけど。

元彼への感情を消す方法さえ分からないというのに。


「由依」


視線を戻せば千夏はついさっきまでの難しい顔ではなく、優しい顔をしていた。


「私には由依の気持ちを全部分かりきれてないし、偉そうに言えるほど経験はないけど…自分の気持ちには素直になるべきなんじゃないかな」

「でも、」

「大丈夫。原さんならきっと受け止めてくれるよ」


そう優しく笑う千夏に何だかおかしくなった。
クスクスと笑えば、千夏は不服そうな表情を浮かべた。


「ちょ由依!何で笑うのよ」

「いや、まさか千夏に励まされることになるとは」

「失礼な!」


コロコロと表情を変える千夏を眺めていると何だかもう、どうにでもなりそうな変な自信がわいてくる。
今までああだのこうだのと考えていたことが急に馬鹿らしく感じてきた。

そうよね…。
このまま放置していても、状況は変わらないだろう。
いつまでも悪循環にはまり続けることになる。

それならば行動に移すべきかもしれない。


「千夏ありがとう」


そう微笑んで言えば。


「いつも相談にのってもらっているからね」


千夏は笑ってチーズつくねを食べたのだった。
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