Task Force-特別任務部隊-
『全部隊に告ぐ、MOAB爆発の危険性が高まった、安全を確保するまで街から離れろ、繰り返す…』

最悪な知らせが無線から流れる中、暴れ馬と化したブラックホークが上空で踊る。

その機内から。

「嘘だろ…」

グライムズは、目を疑う光景を見た。

後方、赤々と照らし出す閃光。

ブラックホークの速度をも上回る粉塵と突風が迫って来て、瞬く間に機体を飲み込む。

グライムズ達の乗る機体だけではない。

飛行していた他の分隊の乗るヘリも、次々と巻き込まれる。

遠く見えるキノコ雲。

粉塵と突風に追いつかれたヘリは、後方から煽られるようにして飛行姿勢を崩し、爆発、枯葉のように地表に落下していく。

核だ、核弾頭が爆発したのだと、グライムズは確信していた。

しかし、これこそがMOAB。

通常兵器としては史上最大の破壊力を持つとされる爆弾。

長さ約9.1メートル、重さ約9800キロの爆弾。

8482キロの炸薬があるといい、実地試験ではその凄まじい爆発の為、原子爆弾のようにキノコ雲が発生したという。

グライムズ達の乗るヘリだけを、そのMOABが見逃してくれる筈もない。

そもそもテイルローターにRPGを受けて墜落寸前だったのだ。

こんな爆風を受けては一溜まりもない。

まるで叩き落とされるように、彼らの乗るブラックホークは地表に激突する!

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