Task Force-特別任務部隊-
「風が少し強い…風を読むか、止むのを待つか…だが標的が車両に乗り込む可能性もある。判断は任せよう」

マクナイトが言う。

弾道は湿度と風速によって変化する。

光学照準器を覗きながら、伏せ射ちの姿勢で呼吸を整えるジェフ。

自らの心音や呼吸の乱れですら、着弾位置に大きくズレを生じさせる事もある。

コリオリ効果(地球の自転により起こる慣性の力)さえも考慮に入れなければならない場合もある。

狙撃は高度な技術が要求される。

デルタ隊員のジェフに任せたのは、マクナイトの信頼からだった。

「風向きと風速を測るんだ」

マクナイトの言葉に、ジェフが頷く。

何度も指揮官の前を部下の兵士が遮る。

なかなかチャンスは訪れない。

「焦らず視界が開けるのを待て」

逸るジェフに言い聞かせるマクナイト。

数人の兵士に指示を出す指揮官。

大きく身振り手振りを交えながら、命令を下す。

敬礼して、それぞれの持ち場へと向かう兵士達。

視界が開け、指揮官の姿が露わになる。

その瞬間に。

「ふっ!」

一呼吸の間に、ジェフはトリガーを引いた!

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