Task Force-特別任務部隊-
砂浜に這い蹲っていたり、座り込んでいたり、片膝をついていたり。

男のCQCの威力にまだ立ち上がる事すらできない兵士達。

そんな彼らを見ていた男の背に。

「ゴースト」

声がかけられる。

同時に投げ渡されるのは、男の着ていたACU。

男は片手で受け取り、上半身に羽織る。

「有り難うございました、ボス!」

兵士達の声を背中に受けながら、男…ゴーストは砂浜から歩いて行く。

待っていたのは、ゴーストによく似た男だった。

が、彼はゴーストと違って隻眼ではない。

フリッケン・ガイスト。

ゴーストの実の息子だ。

尤も、ゴーストとガイストは親子というよりは戦友といった関係だが。

「チーム8の奴らは?」

「タスクフォースに戻った。いつまでも俺達と一緒じゃ、あいつらにも要らぬ嫌疑がかかる」

ガイストはそう言って砂浜の方に視線をやった。

「どうだ、あいつらは」

「…まだまだだな。CQCと呼ぶにはお粗末な腕前の連中ばかり。だが射撃、ナイフ術、潜入技術…それを補って余りある技術を持っている」

ゴーストは振り向いた。

「リクルート(軍隊などに新人が加入する事)から一週間…よくあれだけの人数が集まったもんだ」

「思い当たる戦場は一通り回った。シリア、ウクライナ辺りを中心にな。あの辺は火薬庫だ。兵士には事欠かない」

ガイストが言う。

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