Task Force-特別任務部隊-
しかし。

「お断りします」

進藤はゆっくりと立ち上がった。

「小川小隊長や他の仲間は、そうしてやって下さい。だけど俺は、ちょっとやりたい事があります…」

手にした89式小銃に弾薬を込めるべく、進藤は片足を引き摺りながら歩く。

ずっと思っていた。

先の戦いのドーベル中将の頃から。

戦術自衛隊、アメリカ軍、タスクフォース…。

司令部は、俺達兵士を何だと思ってるんだ。

富永中隊長の事もある。

その他にも、独断で若い将兵16名をを引き連れ特攻出撃するも、怖気づいて部下だけを死なせて逃げ帰って来た宇垣一等陸佐や、自爆兵器を自分が使用するから開発させてくれと上層部に頼み込んだ癖に『適性なし』とやらで出撃せず、代わりにこの戦いで最前線の隊員に使用させた太田三等陸佐など。

進藤はそんな類の話を反吐が出るほど聞かされた。

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