Task Force-特別任務部隊-
狂気に駆られる
「何を言っているのかわかっているのか」

倉本が進藤に向かって言う。

「お前のやっている事も戦争犯罪じゃないのか。憎悪に駆られて友軍の上官を殺害する。戦争だからって何でも許される訳ではないだろう」

「じゃあこんな屑は誰が裁く?」

進藤は、虫けらでも見るような眼で太田の亡骸を見た。

「コイツだけじゃない。敵も、味方も。上層部は末端の兵士をモルモットか何かくらいにしか思っていない。砲火の矢面に立たせ、俺達が鉛玉を浴びて挽き肉にされても、何とも思っちゃいないんだ。だから平気で無謀な作戦を発案する。人道なんて言葉、何処の軍隊にも存在しない」

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