Task Force-特別任務部隊-
「戦争が終わってから、裁判にかければいいだろう」

巽が言うが。

「太平洋戦争時、特攻を計画し、将兵にそれを強いた将校は、戦後も責任を追及される事はなかった」

進藤は即座に返す。

戦後はシベリアに抑留されるが天寿を全うしたり、 終戦直後逃亡、名前と戸籍を変えて暮らしたり、会社常務の口を世話され、東京の豪邸に住まい、何不自由ない暮らしを送り、証拠隠滅の為に軍令部の重要書類を勝手に焼却したり、手記を遺族から借り出して自分に都合の悪い部分を『電車に置き忘れた』などと称して抜き取って捨てたり。

己が犯した戦時中の罪を闇に葬り去り、死んでいった将兵達に詫びる事すらせず、豚のように肥え太って生き永らえたのだ。

「日本軍が戦術自衛隊に変わったとて、そいつは変わらない。この国の上層部の体質は何も変わっちゃいない」

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