Task Force-特別任務部隊-
だが『彼ら』には拘る理由があった。

第二次大戦時の兵器を今もなお使い続ける理由。

『彼ら』がこの時代にまだ存在しているという証明であるから。

「……っ!」

Ju52の機体を見上げていたロンドン市民の一人が、その機体側面に忌まわしき紋章を見つける。

戦争を知らない世代でも知っている。

いまや禁忌とさえ言われる、赤地の上の白円の中に黒のハーケンクロイツ。

『アーリア人至上主義』『反ユダヤ主義』『反共』『指導者による独裁』を掲げ、総統閣下の著書『我が闘争』を聖典視する、一貫した思想を持つ狂信者のような集団。

「ナチス…だとっ?」

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