俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~

幸せな彼

…二人でデートしたことが、まるで夢のようだった。

本当に、英志は仕事ばかりで、ゆっくり二人で

過ごすことは無理に等しかった。


英志だけではない。

舞も、増々忙しくなる仕事。

何時も帰るのは、11を過ぎた頃が多かった。

それを見かねた門倉は、やっとバイトを2名募集する事にした。


それも、店に合うとかそんな事を気にしている場合じゃなかった。

それほどまでに、仕事が忙しかったのだ。


舞は、今夜も、疲れた体を押して、マンションに帰った。

すると、寝室では、珍しく、英志が先に休んでいた。

電気は赤々と付けられ、舞を待っていたことがうかがえた。


「おやすみなさい」

眠る英志のおでこに、舞はそっと口づける。

それに英志は少し反応して、またすぐに深い眠りについた。


…用事を済ませた舞も、ようやくベッドへ潜り込んだ。

その瞬間、英志が舞をしっかりと抱きしめた。


「…英志さん?」

起きているのか?眠っているのか?

舞は半信半疑で、英志の名を呼ぶ。
< 156 / 277 >

この作品をシェア

pagetop