俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
英志に付き合える状態じゃない舞だったが、

走る車から降りる事も出来ず、

英志の言う通りにするしかなかった。


…一体、どこに連れて行かれるのか?

不安な舞を乗せ、車はどんどん走って行く。


・・・そしてようやく、車は止まった。

そこは東京湾の近く。

海が見える、一軒のお店だった。


「行くぞ」

「でも」

「とにかくついて来い」

「・・・」

渋る舞を、英志は手をしっかりとつかみ、店内に入った。

・・・店の中は薄暗く、キャンドルが灯っている。

静かなピアノの音楽が流され、大人の雰囲気を漂わせていた。


「いらっしゃいませ岡崎様…VIPルームに参りますか?」

店員の言葉に英志が頷くと、店内の一番奥に通された。


ドアを開けた瞬間、舞からため息が漏れた。

そこは個室で、大きな窓には、東京湾と夜景が映し出されていた。

とても綺麗で、すべてを独り占めしているかのようだった。
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