俺様社長とスキャンダルキス~おまけ完~
次の日、舞は早い時間に目が覚めた。

まだ、英志は舞を抱きしめたまま、寝息を立てている。


…とても穏やかな朝。

2人の関係は、決して恋人ではないけれど、

2人でこうやっている事が、当たり前で、日を増すごとに、

必要不可欠なものになっていった。


…舞はずっと、貴洋の事が好きだった。

いつか、貴洋と付き合える日が来るなら。

そんな夢を抱きつつ、片思いしてきた。

それが、実現する一歩手前で、すべてが崩れた。


心は病み、どうしていいかわからなくなった舞を、

英志がすべてを注ぎ、どん底にいた舞を救い出した。

英志が傍にいてくれたら、舞はどんなことでも頑張れそうな気がした。


「英志さん…朝です、起きてください」

眠っているにもかかわらず、抱きしめるその腕は力強く、

抜け出すことが出来なかった舞は、仕方なく起こすことにした。


「・・・ん・・・ぅん」

無防備な寝起きの英志を見たのは、舞が初めてだった。

今までの女とは、朝まで共にするなんて事は、絶対になかった。

自分の素をさらけ出せるほどの女性に出会わなかった英志。


…舞がそれほど大事な存在だと言う事を、

舞は知らない。

知っているのは、英志ただ一人だけ。
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