冷房のきいた部屋
七月二十日

七月二十日

小中学生は
夏休みに入った頃だろう

もう外では
蝉の声…


「あ〜…あちぃ」

手で顔を扇ぎながら
谷山公園の前を通る


あたし

栗仲 波由(クリナカハユ(22)
今。彼氏の家に
向かってる


「あっ…なんか買ってこ」

コンビニに入り
冷たいアイス
冷たいお茶
雑誌を買い金を出す


「1056円でぇす」

何?無愛想

まぁこんな熱いんだから

仕方ないか…
許してやろう……


ウィー………


コツコツ…

彼のマンションが
見えてきた

彼の部屋は5階

エレベーターの中は
軽く冷房がきいてた


ピンポーン

中から足音がして

“ ガチャ ”


愛しのダーリンが
顔を出す


…暑すぎて阿呆になってます……笑


「よぉ!波由」

ヒヤァ〜…

玄関に入ると
寒いくらい冷房がきいてる


「さっきまで出てたんでしょ?よくきいてんね」

「お前のために出る前からつけてたんだよ」


笑いながら
貴方は話すけど

少し前からあたし
不思議に思ってるんだ


いつも

「今日は用事あるから何時にきて」

と貴方が言った
日に限って部屋は冷えてる


本当にあたしのためなのか


それとも…

さっきまで別の誰かがいたのか……




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