白い月~夜明け前のその空に~

出産を控えた夏に、体調崩して入院することになったんだけど……。


回復して10月25日、瞬は無事産まれた。


くりっとした目とかほっぺとか、みなみにそっくりで。

でも、ちょっと大きい耳は俺に似てるって、みなみ言ってたっけな……。




しばらくはみなみの家に瞬は預けられてたんだけど、ゆくゆくは俺の家で暮らすことを考えてた。




でも、やっぱりそんな簡単に事は進まなかった。


11月中旬くらいに、みなみは高熱が酷くなって入院することになってさ……。

なかなか下がらなくて、医者にも覚悟してくださいって言われたけど、そんなの全然信じられなくて、むしろ何でそんな事言うんっだってキレてたくらいで……」



ははっと自嘲気味に陸は小さく笑った。


いつも冷静沈着な陸が、駆け落ちや医者に反抗したなんてとても意外な姿で、優月は想像つかない。

相変わらず冷たい陸の手を、抱きしめるように優月は握った。





「……家族みんなで暮らすことは、叶わなかった。


みなみが亡くなってからも、瞬は病気一つせず、いつもみんなを和ませてくれる、大きな温かい存在になってた。


< 428 / 465 >

この作品をシェア

pagetop