白い月~夜明け前のその空に~



里乃のそういった私服は初めて見るわけではないが、優月は毎回びっくりするのだった。


優月も今日は張り切って、いつもと違う服を選んで背伸びしたものの、里乃の格好と比べたら雲泥の差だ。





何故、化粧したり普段着ない服まで着る必要があるのかというと、今日は陸の学校の文化祭に行くことになっているからだ。


行くって言い出す彼女に、陸は別に来なくてもと、顔をしかめたが。



陸の学校に行くともなれば、きっと周りにいとこだと紹介されるはず。

そう見込んだ優月は、少しでもいい印象を与えたくて、それでわざわざ服も悩んだのだ。


里乃は優月の誘いにすんなり乗った。



彼氏の後藤は後藤で、長澤率いる男子軍団を連れて、中学の友人の高校の文化祭へ行くらしい。





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