佐々倉のカノジョ。


「じゃ、じゃあ、私も帰る!」

そう言って、ばっと立ち上がる。

いや、お前は最初から帰るつもりだろ?

ほんとによくわからんやつだな。

今日の俺もよくわかんねぇけど。


「早くしろよ」

「ま、待って、お財布が…っ」

「いーよ出さなくて、俺が払うから」


当然のように言うと、璃乃はまたまたきょとんとして、慌て始めた。

「そ、そんなっ、いいですよっ」

「いーんだよ」

どーせ大したもん食ってないしな、コイツ。

慌てる璃乃を放置して、会計を済ませて外に出る。


「あの、お礼と言ったらあれなんですけど…」


「?」


「夕飯、ウチで食べていきませんか?」


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