佐々倉のカノジョ。

ソラとアカネ


「ただいま~」

璃乃が玄関を開けて声をかけると、一人の少女が駆け寄ってきた。

「おかえりお姉ちゃんっ、わ、だれ?そのイケメンさんっ」

「え、えと…、お姉ちゃんのお友だち!」

「へぇ~っ」

おい、なんでそこで困るんだよ。

別に怪しい友達じゃあるまいし。
まだやってないしな。

結局、このあと家に帰っても暇な俺は、璃乃ん家にやって来ていた。

まぁ、普通の一軒家って感じ。

初対面に等しいのに、まったく無防備な女だ。

ちなみに俺の手にはこれから料理されるであろう野菜たちが入った袋。

材料を見たら何作るかわかるって人がいるらしいけど、俺にはさっぱりだな。

てなわけでちょっとテンションが高い。

あ、うそうそ、別に高くないからな。

「茜、自己紹介は?」

「えっと、4さい、にしのアカネでーす」

ほんと姉にそっくりな。
そのまま小さくした感じ。

そんでもって4歳って言いながら手は3だしな。

かわいいな。

……やべ、俺キモ。

自己嫌悪に陥っていると、今度は男の子がやってきた。

「なに玄関で騒いでんの?」

「あ、大空。この人、私のお友だち。夕飯一緒に食べるから」

「ふぅん。変な頭」

「んだと、こら」

「わぁぁっ、大空、そんなこと言わないのっ」

なんだこの生意気なガキは。

どう遺伝したら璃乃の弟がこうなるんだよ。


「だって変……」
「いいからこの荷物運んで!」

璃乃が怒ってる。
おもしろ。



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