佐々倉のカノジョ。
「そこ」
そっけなく言われ、あごで示されたのはテーブルのわきにあるクッション。
嵐くん怒ってるのかな……。
こわいかも。
嵐くんがキッチンにいる間、私はずっとキョロキョロしていた。
男の子のわりに部屋すごくきれいだなぁ、とか、家具が大人っぽい感じとか。
こんな、悪いことしてる自覚はあるけど、新しい嵐くんが知れて得した気分。
「…」
「ありがとう…」
嵐くんは無言で戻ってきて、テーブルの上に紅茶を置くと、ベッドにごろっと横になってしまった。
えぇと…、なにから聞けばいいんだろう。
「あの…なにがあったの?」
「別に」
うわゎ……
これ、だめなやつだよ~。
大人しくしてるしかないのかなぁ…。
「お前、アイツといつから知り合い?」
あいつ?誰?
うーんと、うーんと、、
あ、彩佳?
「高校に入ってからだよ」
「ふーん…」
それからしばらく、無言でいたんだけど、
時折、
「ちっ、妹……気づいてりゃ……」
とか
「潰してやる」
ってちょっと危ない雰囲気の言葉を呟いてた。
これって、私が首突っ込んじゃいけない話だよね…。