佐々倉のカノジョ。



そんなこんなで、午後9時。

俺たちは、俺のアパートの前の茂み……つか、垣根って言うのか?

に、潜んでいた。


「大空たちに連絡したか?」


「うん、冷凍のパスタ、チンしてって言った」


「あそ」


まだ9月。
あぁ、今日は新学期だったか。


停学中の俺には関係ないこった。


「なぁ」

「なぁに?」


「近ぇよ」


「あっ」


うん、まだ9月なんだよ。

なのにさっきから璃乃は俺の腕にぎゅっとしがみついて、ぴたっと身を寄せている。


「ごご、ごめんね、離れる、ます…」


さっきから言葉おかしいし。


「なに?」


「え、ええ?オバケなんていないよ、あ、嵐くんたら、お子さまだなぁー」


あ、オバケ怖いのか。
お子さまはどっちだよ。


< 45 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop