輪廻
せっかく、微睡んでいるのに。
自分の名前に追い込まれそうになるのが残念だなぁと溜息をつく。

まるで発作の様にいきなりフラッシュバックのようになって、私は耳を塞いだ。
…いやだ。

ねぇ、鈴音。
なんでりんねは、りんねなの。
自分に問い掛ける。

月だけが赦してくれる。
太陽の光なんて大っ嫌い。

無音がいい。

明日も明後日も、少年達が私を呼ぶ。
どこに行ったって連呼される度に、吐きそうになる。

お月様…
見ていてくれるよね?

無償に受け止めてくれる光。
妖しい光。
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