下僕お断り!



「あと、ほかの女の子にあんなこと言うなよ?私ですら傷ついたんだからな!」

「え、あ、うん。……言いすぎた、かもね。ごめん」



矢吹が目をそらしつつ小さく謝る。
そうして何度か目をさまよわせたあと、苦しそうな顔していった。


「やっぱ、そのカッコもう禁止ね。俺以外の男の前できないで」

さらり、と私の長い黒髪をひとふさすくいとる矢吹。

無意識なのか、毛先を指先でいじる。


「なんでさ」

「……見るに耐えられないから。にあってないしね」

「!…デスヨネ……」


知ってたもん…。



かわいいのは服だけって知ってたもん…。



< 53 / 154 >

この作品をシェア

pagetop