遠くにいる君に。










「あ、あの、おじさん。もしかして、お墓を掃除した子のこと…」





わかってるんですか?と聞こうとした私の声はおじさんによって遮られた。






「うん、結菜ちゃんだろ?」





おじさんは優しい笑顔で私を見た。





「妻には、言わないよ。結菜ちゃんは優輝くんと結子さんの娘さんだからね。優しい子なんだってわかるよ。……息子のために、ありがとう。」







感謝なんて、されることをしていない。







下を向いて、唇を噛むとおじさんはそれに気づいたみたいに言葉を紡いだ。






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