遠くにいる君に。
おじさんの低音がするすると心に入っていく。
「大人は、通常大人になってから花だとかを渡したい人ができるよね。そんな前からこの人と、結婚したいなんて思う子はそうそういないんじゃないかと思うよ。
息子は、14歳で死んだよ。でも14歳で花をあげようとした。
そんな年齢から、花をあげたいと思う女の子に、出逢えたんだよ。親として、こんなに嬉しいことはない。…なあ、光。」
「!」
すぐそばにある柱から、おばさんが出てきた。
その両目からはぼろぼろと涙があふれていた。
その目で私をとらえた。
私を恨むのでもなく、軽蔑するのでもなく、
ただ暖かな目で。