不機嫌なアルバトロス
こんな日に限って憲子は風邪をひいたらしくて休み。


誰にも相談することができずに、一日悶々としながら仕事をした。



18時。


「お先に失礼します」


まだ残っている人たちに声を掛けて、私は、月曜日だけどもうこのまま飲みに行っちゃおう、一人酒だ!とヤケになっていた。


支度を済ませて受付嬢と目が合わないように通り抜け、会社の外に出ると真っ暗でなんだか泣きたくなる。


やっぱり缶ビールとつまみを買って帰ろうかな。


コートのポケットに手をつっこみながら、しばし考える。


基本インドア派、引きこもりな私はそんな案も良く思えてきた。



「花音」



突然名前を呼ばれて、はっと辺りを見回す。
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