不機嫌なアルバトロス
「えぇ?そうねぇ…」



志織さんは、少し照れたようにはにかむ。



「まず、とにかく優しい。思いやりがあって…とても優秀で・・・賢くて、すごく真面目な人よ。私の欲しい時に欲しいものをくれる。そのタイミングを逃さない。私のお願いを仕方ないなぁって言いながら、必ず一番に聞いてくれる。今まで出逢ったことの無い、最高の人よ。」



全ての形容詞は、理想的な人に求める事、そのものだ。


自分はそんな彼を知らない。



「…そうですか…兄は、志織さんに意地悪とかしていませんか?」



私の質問に、志織さんはうーんと考え込むが、



「ないわ。真面目過ぎてそんなことできないんじゃないかしら。」



と答えた。



軽く眩暈を覚えつつも、兄をそんな風に思ってくれてありがとうございますと感謝を述べ、残っているカプチーノを飲み干した。
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