不機嫌なアルバトロス
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タタン…タタタン…



家まで送ると言った志織さんの申し出をなんとか断り、電車に乗ってドアの窓の外を見つめた。



色んな感情が、心の中を竜巻のごとく渦巻いていた。



私…どうしたいんだろう。


どうすれば、この気持ちはすっきりするんだろう。



志織さんに真実を打ち明けたい気持ちと、彼女に対する焼きもちがぶつかって、ぐっちゃぐちゃになっている。





『私の欲しい時に欲しいものをくれる。』


『私のお願いを…必ず一番に聞いてくれる。』




さっき聞いた言葉に、抱き寄せられた彼女の細い腰が思い出されて、心が掻き乱される。
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