不機嫌なアルバトロス
まぁ、いっか。このまま駅に探しに行こうっと。


厚手のジャケットを羽織って、財布と携帯をポケットに入れると、エレベーターホールに向かった。


しかし。


中堀って、誰だっけ。


知り合いにいたっけ。


今まで付き合った人、だっけ?


わかんない。


一日しか付き合ってない、とか。


名前も知らない、とか。


そんなのもしょっちゅうあったし。


はは。考えれば考えるほど、最低な女だな、私。


なんだか悲しくなってきて、元恋人の線を考えるのはやめにした。


エレベーターに乗り込んで一階のボタンを押す。


ふいに、朝に嗅いだあの甘い香りがしたような気がした。


「…まさか、ね。」


思い浮かびそうになった考えを慌てて打ち消した。


形になってしまう前に。
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