不機嫌なアルバトロス


「はは」


もう慣れっこになった出来事に、自然と乾いた笑いが零れる。



またか。


いつも、そうだ。


私は誰かの代わり。

それか、誰でも良かったっていう暇潰しの相手。


あるいは、本命じゃない方。




「はは…はーぁ…」


ひとしきり出た笑いが、溜め息に変わる。



誰も居ない休憩所。


あったかい飲み物もなく、冷たい窓硝子に近寄るのは気が退けるけど。


ここからは、都会の夜景が一望できる。



伸ばして触れた手に付いた、ひやりとした感触に鳥肌が立つのがわかる。





ー外にはこんなに沢山の人が居るのに。



どうして私だけを見てくれる人は居ないんだろう。



誰か一人だけでいいから。


私だけを愛してくれる人に出逢えたらいいのに。



私じゃないと駄目だって、言ってくれる人が、いたらいいのに。
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