不機嫌なアルバトロス

自分で言うのも何だけど、顔は悪くないと思う。



とびっきり良いって訳でもないけど。



中肉中背。痩せてもないけど、太ってるって程でもない。



小学校は恋愛とは無縁だった。


人形遊びが下手くそで、女子の友人の輪に加われず、男子に混じって追いかけっこや泥遊び、木登りなんかをしていた。



中学になると、周囲も色気付いて、彼氏彼女だなんだって騒がれていたせいか、私も少し目覚めて、お洒落しだしたり、放課後の最強の泥だんご作りの習慣を、泣く泣く卒業した。


一回だけ隣のクラスの男子から告白されたけど、気持ち悪くて断った。



高校になったらバリバリに化粧して、先生に見つかって怒られて、それなりに勉強もして。



一丁前に彼氏も出来て、その上イケメンだったから、満足してた。



そんな風にして、出逢いと別れを繰り返していく内に、ふと気づく。



誰も、『私』を見てくれてない。



いつの間にか、着飾っていた自分。



作っていた私。


そうじゃなくてもっと、『私』を愛して欲しい。


好きになって欲しい。
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