不機嫌なアルバトロス
自分でもよくわかんない。

でも未だに苛々する。

あの後、中堀さんがどうなったかは知らない。

でも会社の中にまで追いかけてはこなかった(当たり前か)。




私は案の定、沢山の同僚達に目撃されており、後ろ指さされることとなった。


憲子も早くに噂を聞きつけており、


やれ『アホウは今度はものすごいイケメンと不倫し離婚を迫っている』だの、


『実は佐久間と二股かけていて、本命はそっちだった』だの、


『高校時代に付き合っていたイケメンのストーカーが原因で、佐久間とは駄目になったからひっぱたいていたんだ』とか、


事実に数え切れないほどの尾ひれがついて広まっていた。


もう、どーでもいい。


だけど、憲子には一応真実を知っておいてもらいたい、と思ってこうして焼き鳥屋に来ているわけだけど。


「こんなアホな花音の話を聞くために、私は今日裕ちゃんとの約束を断ったんじゃない」


憲子がブラック憲子になっている(裕ちゃんとは憲子の彼氏)。
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