不機嫌なアルバトロス
「だけど当たらずとも遠からずってトコかな。ターゲットじゃないけど仕事に必要な役者だ。」



そう言うと、私の腕を力強く引っ張った。




「うわっ、とと…」



そのせいで椅子から立ってよろけた所を、後ろから抱き寄せられる。



こ、腰に腕を巻かれている…



普段なら抵抗したい所だが、酒のせいで廻る目が、相手によっ掛かるままにさせている。



うーん、気持ち悪い…



ふらふらする。




「そーいうわけだから、借りるねー」



背後の男がそう言うと、タカは私に向かって伸ばしていた手を名残惜しそうに引っ込めた。

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