不機嫌なアルバトロス
画面に出ているのは―


「佐藤…一哉…」


聞き慣れない名前を、口にしてみて気づく。


初めて声に出したことを。



「やっぱり終わらなかったか…」



悪夢はまだ続いているのか。


憂鬱な気持ちで手の中にある携帯をじっと見つめる。




「わっ」



携帯が再度振動し始めた。



「は、はいっ」



慌てて通話ボタンを押す。

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