不機嫌なアルバトロス
その上、緊張の余り、駅近のひとつしかないパーキングまで足を踏み出すことが出来ないでいる。


腕時計に目をやる。



―や、やばい。



約束の時刻はもう5分後に迫っていた。


ごく、と生唾を飲み込み、ガチガチになりながら、目をぎゅっと瞑った。



―落ち着け、落ち着け。



手先が冷たい。


外気はさらに寒い。


なのに、変な汗をかいている。



男相手にこんなになった自分は初めてだ。


正直、疲れる。
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