Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
私はふたりのもとへ、ゆっくりと歩み寄っていく。
「なにしに来たんだよ」
私の言葉など無視して、亮はなおも睨みをきかせながら再び口を開いた。
よっぽど、私のことを憎んでいるみたい……
あんなに愛されていたのに、随分毛嫌いされてしまった。
「だから言ったじゃん?なかなか戻ってこないから、探しに来たって」
笑みを浮かべながら、私は亮の隣にいる……彼女へと視線を移した。
「もしかして……亮の新しい彼女さん?」
なんて……さっきのシーンを見たら、そんなこと一目瞭然のはずなんだけどね。
敢えて、ふたりのキスシーンなんて見ていませんだした風に聞いてみる。