Betrayer-ビトレイヤー-~嘘に包まれた気高き彼女~
危うく、仮面が外れそうになる。
怒りではなく、悲しみに近い感情だった。
もう、亮は……
私だけのものじゃない。
あんなひどい裏切りをしたんだもの、当たり前だ。
「名前は?」
「お前に答える必要はない」
彼女のほうに聞いたはずなのに、ピシャリと言い放ったのは亮だった。
オレたちふたりの中に、お前は入ってくるな……目がそう語っている。
亮は、なりふり構わず女と付き合うような男じゃない。
目の前の彼女に……よっぽど今は惚れているということなのだろう。