※もしも悪魔になってしまったら
※もしも死んでしまったら
一般的に、人はドラマチックな終わり方を望むんだと思う。


例を挙げよう。


例えば俺は世界を救っちゃうようなヒーローで、よくある美人なヒロインを悪の敵から守って最期を迎える。


きっと、「生まれ変わったらまた会おう。」とか気持ちの良い台詞を残して逝く。



しかし、今はどうだろう。



極平凡な毎日を過ごし、今日も変わらず学校からの帰り道を歩いていたはずだ。

そこでまさかダンプカーに突っ込まれるとは思わなかった。

残念な事に、俺はそんなドラマ知らない。

驚く間もなく俺の身体は宙を舞い、地面に叩き付けられる。


おかしい、おかしい過ぎる。


俺の最期はこんなにいきなりで、呆気ないものではなかったはずだ。

先程までは。

心臓の音がやけに大きく聞こえて、目の前が霞む中、意外にも冷静に考える。

そう言えば、冷蔵庫にプリンが残ってたなぁ。とか、

最後に時計を見たとき、四時ぴったりだったなぁ。とか。

とりあえず、俺は終わりを迎えようとしている。

さよなら俺。
さよならプリン。




意識が途切れる。





嗚呼、さよなら俺。




※もしも死んでしまったら
考えたいことを考えろ。
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