ブラコンVSシスコン




劇場に入ってからも遼が気遣うのはわたしのこと。


トイレはいいかだとか、ノドは乾いてないかだとか、お兄ちゃんみたいな一面と、遠足の前の日のようにウキウキして、子供みたいな遼。


自分が楽しみで仕方がないのか、やたら話しかけてくるのも珍しい。



きっと、遼は本当にお芝居が好きなんだ。



そう、思えてしまうのは夢中でホールの広さやパンフレットを見ながら話しているからなのかもしれない。


初めて見る遼の一面に思わず微笑んでしまう。


あんなにイヤだったのに、それがかわいくて仕方がないのは、腕をつかまれておかしくなったからかな?



それとも――……。








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