ブラコンVSシスコン
* * *
「つーか、泣きすぎだし!」
「だって……」
劇場近くのファミレスでわたしは泣きすぎて止まらない鼻水をすすっていた。
「オレも感動したけど、そこまで泣くことはねーだろ?」
「しょうがないじゃん! 泣けるんだもん。もーだって、あのラストなんて……」
「分ったから! いい加減、顔あげろ。オレが泣かしてるみたいだろうが!」
そう、遼に言われて顔上げると、目を大きくしてわたしの顔を見た後、お腹を抱えて笑い出す。
「な、何で笑うのよ」
「いや、だって……お前、すげー顔してんぞ? 泣きすぎて化粧落ちてるし」
「えっ?」
わたしは慌ててカバンから鏡を出して自分の顔を見た。