ブラコンVSシスコン
駐車場から少し上に上がると眼下に広がるのは市内の輝いた光だった。
「すご……」
初めて見る自分の街の夜景。
ここから家が近いわけじゃないけど、こんなに光が溢れているのに驚いた。
等間隔で輝く光と漆黒のコントラスト。
上空からは大きな満月が街の輝きを増していた。
有名な夜景を見に行かなくてもここで十分かも……。
「美紅」
ボーっと夜景を見てると、不意にわたしを呼ぶ声が聞こえた。
数メートル離れたベンチに遼が座って手招きをしていた。
ベンチに座っても眼下に見える景色はキラキラしていて、特別なものに感じる。