天の川のほとりで


 今年の春、新高卒の採用試験に受かった家内七海(かないななみ)は、研修期間を終え今月から正式に採用され正社員になったばかり。

 まだ職場に慣れない幼い精神は、先輩の後ろについて回り仕事を覚えている。

 その中で一番頼ってしまうのが、隣のデスクで仕事をする堀北颯(ほりきたはやて)である。

 七海より二年先輩で、大卒で入った彼は七海の6つ上だ。

 同じ部署で席と年齢がもっとも近く、そのせいで上からも新入社員の教育を任せられている。

 そんな颯は結構気さくで、七海が入った当初真っ先に話しかけてくれ、会社のことや部署のことを話してくれた。

 そのせいもあり、七海も躊躇(ちゅうちょ)なく接することが出来ているのかもしれない。


(やった、ドンピシャ!)


 会社に着くと、颯もすぐ後から着いたらしく、リュックを背負いコンビニ弁当をぶら下げて車から出てきた。
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