届かぬ声を、君に。
次の日。
「ここで、Xに代入して………」
数学の先生の、やる気なさげな声。
私は、窓際の席だから、外でふわふわ舞っている雪を眺めながら先生が黒板に書くことをノートに写していた。
「………暇……」
そう呟くと、隣の男子が首をかしげながらこっちを見ていた。
私は、その男子に向かって苦笑いをすると、また窓の外を向いた。
なんか、恥ずかしいなぁ......。
私は、呑気にそんなことを考えていた。
このあと、運命の出会いがあることも知らずに____。